なぜ弁護士はウラを即座に見抜けるのか? 佐伯照道著

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 最近の新書で流行の「なぜ××は~~なのか」という題名で、やれやれまたか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

 しかし、この本は非常に面白い本で一般の方だけではなく弁護士・学生の方が読まれても何かしら得られるものがある本ではないかと思います。「最強の破産管財人の手法をあなたも日常に使え!」と本の帯に書かれているのですが、「こんな発想は佐伯先生だから出来たのではないか、とても私が日常的に使えるとは思えない・・・・。」と感じてしまう部分も正直言ってあります。

 

 けれども本を読み進めていくと、「斬新な発想も、一生懸命に仕事に向き合おうとすること、真剣に依頼者の(時には相手方も含めた)本当の利益を考えること、が出発点である。」ということを佐伯先生が示唆して下さっているように私には思え、少なくともこの点だけなら私でも頑張れると思いました。

 

 言い古された言葉になりますが、私にとっては、面白くてためになる本でした。

 

 著者の弁護士佐伯照道先生は、大阪弁護士会会長・日弁連副会長などを務められた方で、大阪有数の大法律事務所のパートナーでもいらっしゃいます。実際お会いしてみると、非常に気さくで、私のような若輩が失礼な意見を言ってもきちんとそれに向き合って下さる、人間の大きな方です。

 

 たまたま、佐伯先生は、私が所属する法曹人口問題プロジェクトチームの座長を務めておられ何度か、PTの後に食事に誘って頂いたことがあります。

 その席で聞いたお話によると、先生の祖先をさかのぼると、日本一大きいため池である香川の満濃池を作った方々にまでさかのぼるそうです。満濃池を弘法大師が作ったという伝説もあるそうですから、ひょっとしたら佐伯先生は弘法大師の親戚くらいの子孫になるのかもしれません。

 また、佐伯先生が大阪弁護士会会長・日弁連副会長の頃に、法曹人口問題に関する会合に出られた際、増員一辺倒になっていた日弁連執行部内で一人「法曹人口問題は、是々非々で論じるべき」と主張されたところ、日弁連執行部から猛反発を受け、反省文的なものを書くよう求められたこと(酒席での話ですので私の記憶違いがあるかもしれませんが)など、笑い話のような興味深いお話を聞かせて頂くこともできました。 

 

 日弁連執行部万歳となりがちな、日弁連副会長の座にあるときでも、敢然と正論を述べられた佐伯先生は、私の尊敬する先生の一人でもあります。なお、佐伯先生ご自身は、「僕は悪者だよ」と仰ることもありますが、真偽のほどは私には不明です(笑)。

 

 次回のPTでお会いしたら、この本にサインを頂いてしまおうとたくらんでいます。

 

 

 

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