修習生の就職難

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 昨日の日弁連から届いたメールマガジンの最後の方に、ひまわり求人求職ナビの現状が載っていました。

 

 そこには、12月15日現在で270名もの修習生が職を求めて登録しているということが書かれています。新61期の二回試験の発表は12月16日なので、今日二回試験に合格していれば、就職できてはいないが弁護士になる資格がある方が270名も溢れることになります。仮に就職出来た方が登録を抹消をしていなかったとしても、200名以上は、ほぼ確実に就職できていないことになります。

  

 このように、平成19年度新司法試験合格者1850人のうち、仮に270名の就職が出来ていないとすると、約15%弱が就職できていないことになります。島根県弁護士会全体の会員数は41名ですから、島根県弁護士会7個弱分に相当する数の新人弁護士が就職できずにあぶれることになります。

 

 以前から何度も言ってきましたが、本当にニーズがあるのであればどの法律事務所でもどの企業でも弁護士が欲しくてたまらないはずで、修習生の就職難などあり得ません。

 

 弁護士のニーズが無いにもかかわらず、あるはずだと述べ続ける、経済界・学者の方々、それに増員を直ちに止めない弁護士会執行部は、一体何を考えているのでしょうか?

 

 かつて、日弁連で事実上、司法試験合格者3000人を容認した平成12年11月1日の日弁連臨時総会(この議事録を読むと、執行部側が強引に討議を打ち切っている様子がうかがえます)において、当時の日弁連執行部は次のように話しています。

 

 「いやしくも数に偏して質を軽視することがあり得ないかと。『その通りです』ということであります。」(平山副会長~当時)

 →しかし、新司法試験では受験者の平均点以下の得点でも合格できている実態があります。これを、「数に偏して質を軽視している」と言わなくてなんというのでしょうか。

 

「マーケットとか、需要とかそういうものが法曹人口の一つのファクターになってくるということは、これは否定できないことだと思います。」(久保井会長~当時)

 「3000人で増やしていって5万人になったら打ち切りと言うことでロースクールが承知しないんではないかという質問がありましたね。確かにそういうことを仰る意味はよく分かります。しかし大企業でも、社会の要請によって大幅に工場を削減する。だから司法試験の合格者、社会の要請が無くなって、ロースクールで養成すべき学生が無くなるといいますか、減らしていくべきだということになれば、ロースクールを縮小していくということだって、当然これはあっていいこと(後略)」(久保井会長~当時)

→修習生の就職難が明確になっている現状では、需要がないことは明白です。日弁連としては直ちに弁護士の需要がないのであるから、ロースクールの大幅縮小を提言すべきなのではないでしょうか。それをなぜやらないのでしょうか。 

 

 その他、面白い発言はたくさんありますが、読んでいくと当時の日弁連執行部の説明と今の日弁連執行部の態度とが整合性が取れていないのではないかと思われる部分(要するに執行部が日弁連会員を騙したのではないかと思われる部分)も見受けられます。

 

 日弁連執行部は嘘つきだったのでしょうか?

 

 

 ちなみに、先だってご紹介させて頂いた、兵庫県弁護士会の武本夕香子先生は、この日弁連臨時総会にも出ておられ、執行部の苦し紛れの議論に対し、非常に説得的な反対意見を述べておられます。

 

 機会があれば、追ってご紹介したいと考えております。