大阪弁護士会のLAC負担金に関して~ご報告

 台風直撃の影響で、常議員会が延期され、今日の常議員会は、2回分の決議・審議をしなければならない非常にタイトなものだった。案の定、予定終了時間である5時を大幅に超過しても終わらなかった。

 だが、8月8日のブログで書いたように、LAC案件の負担金に対する私の質問に対して、回答をすると執行部から約束してもらっていたので、来客との待ち合わせ時間を少し過ぎるまで頑張って、審議事項の最後までは出席していた。

 弁護士費用保険(LAC)に関して、①弁護士会が保険会社から依頼を受けて弁護士を紹介する紹介案件と、②弁護士が直接クライアントから依頼を受けて保険を利用する選任済案件、という2種類があることは前のブログでも記載したとおりだ。

 ①は弁護士会が弁護士に紹介する手間をかけているので負担金という発想も、ギリギリ理解できなくはないが、②に関しては全く弁護士会に手間をかけていないのでどうして自分の依頼者が弁護士費用保険を利用するというだけで7%もの負担金を弁護士会に納めなくてはならないのか、理解が難しいところである。

 前回の常議員会で、選任済案件に負担金を課している弁護士会はどれだけあるのか質問していたが、今日の常議員会でその回答が得られた。

 選任済案件に負担金を課している単位会は、全国で唯一、大阪弁護士会だけだということだった。担当副会長は神奈川、新潟の弁護士会にも確認してくれたそうだが、やはり今は負担金は課していないとの回答だったそうだ(かつて負担金を課していたかことがあるかは不明)。

 紹介案件について負担金を課している弁護士会は、担当副会長の調査のご記憶では13会だということだから、全国52単位会(弁護士会)のうち、紹介案件について負担金を課しているのはわずか25%の弁護士会にすぎないということだ。

 ということは、大阪弁護士会は、LAC紹介案件に負担金を課している少数派であるだけでなく、選任済案件にも負担金を課している全国唯一の弁護士会ということだ。

 おそらく総会決議を経てそのような負担になっているはずだし、執行部提案に漫然と賛成しているうちにこうなってしまったのかもしれないが、果たして、大阪弁護士会会員の多くは、選任済案件にも負担金を課されることを、ホントに納得しているのだろうか。

 選任済案件にも負担金を課す日本唯一の弁護士会という状況から考えれば、大阪弁護士会執行部のエライ先生方は、LAC案件などやらなくてもやっていけるので、あんまり深く考えてくれていないのではないか、との疑念を拭いきれない。

 また、他の多くの弁護士会ではたとえ紹介案件でも負担金を課さずにやって行けてるのに、どうして大阪ではそれができないのかという疑問も湧いてしまう。

 谷間世代に対する会費減額の大盤振る舞いをする前に、もっと他に、やることがあるんと違うのかな~、大阪弁護士会は。

う~ん授業改善報告書かあ・・・・。

 私は、縁あって関西学院大学の法学部と、法学研究科(大学院)で、春と秋に一つずつ演習講座を担当させて頂いている。

 ぶっちゃけ非常勤講師のお給料は安い。関関同立の非常勤講師は結構安めに設定されているとの、捨て置けない噂もあったりする。西宮北口から山の上にあるキャンパスまでタクシーを利用することや、事務所維持費を考えると完全赤字だったりもする。

 しかし、私は教えることが好きだったりするので、ちょっと大変でも講師を続けさせて頂いている。法学部で教え始めてからもう12年ほどになる。

 大学院では会社法についてお話しさせて頂いているが、法学部では、ペットに関する法律の諸問題と題して、ペットの法律上の扱いからはじまって、ペットがトラブルを起こした場合等の法的構成などについて、かなり実務家的視点を交えて、お話しさせて頂いている。

 最近、大学側から、学生による授業評価を実施するようにと、多くの講師もいわれているようだが、私も例にもれず、大学側から指示を受けた。

 そこで、学生にインターネットで授業評価を提出するように伝えた。

 先日、大学側から親展で、その結果が届けられた。

 結果的には全学平均や学部平均よりも高い評価を学生さんから頂いた。授業に関する10項目ほどについての学生さんの評価は、5点満点で5~4.5点であり、特に授業満足度は5点を頂いた。

 他の大学のある教授にお伺いしたところ、学生の評価なんか気にしてちゃダメですよ、とのお言葉を頂いたが、やはり評価してもらえると嬉しいものである。

 ところが、大学側は、授業改善報告書を出せというのである。

 私としては、ここまで学生さんに満足して頂けているのなら、改善する必要は、そんなにないんじゃないかとも思うのだが、おそらく、学生を募集する際に、うちの大学では、教員に対して、このような評価もして常に改善に取り組んでいると対外的に示せるし、文科省に対する対応も含めてこのような報告書を大学側は求めているのだろうと思う。

 大学側も、大変なんだな~と同情する反面、これだけ評価して頂いているのであれば、改善報告書が必要なのか?と、改善報告書を求める一律の扱いに対して、少し反発心を覚えてしまったりもするのである。

 


 私は、7月19日のブログで、いわゆる谷間世代に対する弁護士会費・日弁連会費の減額は、筋違いであるとして反対する記事を書いた。

 そしてその記事の中で、

「日弁連執行部主流派は、良いだろう。自分達が主導して谷間世代救済を行ったと胸を張れるからだ。また谷間世代は会長選挙の際には相当大きな票田になりうることも、おそらくその背景にはあるのだろう。

 しかし、その実態は、他人の金(谷間世代以外の会員の会費)を使い、さも自分が救済したかのような顔をすることになるだけの話だ。」

と記載した。


 今でもその考えは変わらないが、弁護士会単位で谷間世代に対する弁護士会費を減額することを決議した某弁護士会所属の方から、やっぱりなぁ~(もしくは、なんだかなぁ~)と思われる話を耳にした。

 大阪ではない、西日本の某弁護士会でのお話である。


 その某弁護士会では、会長をはじめとする執行部が音頭をとって、谷間世代の弁護士会費減額を提案し、総会で可決した。
 当時の会長は、総会のあとに谷間世代の弁護士複数から、(弁護士なら誰だって、弁護士会費が減額になれば助かるのだが)「先生のおかげで助かります!」などと言われ、「若手のためにできることはやる!」等と、胸を張ってカッチョイイお答えをされていたようだ。
 まあ、そのような受け答えからすれば、その会長さんは、若手のために可能な限りの尽力をするというお立場のようなので、もちろん、私的な部分でも若手のために可能な限りの尽力をなさっていると、普通思うだろう。
 そのお話を聞いたとき、私もそう思った。


 しかし実態は違った。


 少し話が飛ぶようだが、ご存じのとおり、司法修習のうち弁護修習は弁護士事務所に割り当てられて、そこで弁護士業務に関する修習を行う。弁護士としては、机やスペースを用意するだけでなく、まだまだとても戦力にならない修習生に起案させたり添削したり、法廷に連れて行ったり、相談に同席させたり等、手間ばかりが相当かかる。
 司法修習生を弁護修習のために事務所に受け入れることは、内容的にはほとんどボランティアに近い、はっきり言えば事務所にとっては、経営上迷惑な制度でもあるのだ。
 特に、弁護士が激増していながら裁判所に係属する事件数が減少中の昨今は、弁護修習先の事務所を見つけること自体が、大変になりつつある。


 話を戻すが、某弁護士会の会長さんは、これまで司法修習生を事務所に受け入れることに消極的であったそうだ。それ自体、若手支援の立場に矛盾しかねないように思うが、ただ、会長時に、谷間世代の救済、若い世代への尽力を公言し、他の世代にツケを回す形で谷間世代の会費減額を推進したので、周囲はさすがに、今回は司法修習生を事務所に受け入れるのではないかと思ったそうだ。

 
 そりゃそうだ。
 あたしだって、そう思う。


 谷間世代の会費減額をするということは、その減額分をそれ以外の世代で負担するということである。他の世代を犠牲にしてまで、若手のためにと銘打って谷間世代の会費減額を提案・推進する以上、ご自身が先頭に立って、若手のために行動しているか、少なくとも行動する堅い決意があるとみて、普通は間違いないところだからだ。しかも弁護修習の受け入れ先を探すのに、弁護士会は相当苦慮している状況下にあり、その事情も会長経験者なら、当然よ~~~く分かっていらっしゃるはずだからだ。


 まず隗より始めよとは古今の名言。
 知らないとは言わせない。


 しかし、その会長(経験者?)さんは、司法修習生の受け入れを明確に拒否したそうだ。


 おそらく、その方のお考えはこうではないか。

 「他人の金(弁護士会の金)を使うのであれば、谷間世代を救済しても良いけど、自分の懐が痛むのなら若手のために尽力することはできない。」

 もっと分かりやすく言えばこうなるか?

 「会長としては、谷間世代を救済したいが、個人としては若手支援はできない。」

 
 私の邪推が当たっているとすれば、な~んだ、結局、谷間世代の救済実現!と大戦果でも上げたような顔しながら、「その実態は、他人の金(谷間世代以外の会員の会費)を使い、さも自分が救済したかのような顔をすることになるだけの話」ってことじゃない。

 まあ、私から見れば態度が一貫していないように見えちゃうね。
 
 
 

セミの鳴き声に

 先日、酷暑のなか、物好きにも、税理士さんに誘われたゴルフに参加した。

 暑さでぼーっとなりながら、ラウンドし、その後半のスタート前に、ティグラウンドでツクツク法師の鳴き声が聞こえた。

 ツクツク法師が鳴き出すと、もうそろそろ秋が近いなと感じる。

 小中学生の頃の記憶では、高校野球も終わり、夏休みの終わりが凄い勢いで近づいてくる頃にツクツク法師の鳴き声を聞いていた記憶が重なるのだ。

 子供の頃の夏休みときたら、はじまった頃は、このまま休みが終わらないんじゃないかと思うくらい一日が長く感じられたくせに、ツクツク法師が鳴き出す頃には、夏休みは一気に加速していき、まだ手をつけていない自由研究と読書感想文をどうしようかと考えているうちに、あっという間に終ってしまうのが、常だった。

 

 夏の暑い盛り、ぐったりしてしまいそうな頃は、クマゼミかアブラゼミ、ミンミンゼミが元気だ。特にミンミンゼミは、ミーン・ミーン・・・・・ジーと鳴くのだが、最後のジーと鳴いて泣き止んだ瞬間になぜだか、周囲の暑さが、どっとおしよせてくるように感じられた。小学校のプールから帰り、水浴びしてきたくせに何故か少しほてったように感じられる身体で昼寝をしているときと、ミンミンゼミの鳴き声が私の記憶では結びついている。

 これに比べて、ツクツク法師は、「オーシ」ではじまって「ツクツクホーシ・ツクツクホーシ・・・・・」と続いたあと、「ツクツクイーヨー・ツクツクイーヨー・・・」と変化して最後は「ジジジジ」で終わるように聞こえた。一匹の鳴き声を聞き終わったあと、その他のツクツク法師もじつは鳴いていたのだと気づくことも多かったように思う。

 夏の初めの頃と、終わり頃にヒグラシが鳴いていた記憶がある。ヒグラシだけは、私の記憶では、一夏で2度鳴き声を聞くチャンスがあったように思う。

 なかなか太陽が落ちきらない夏の終わりの夕方に、ツクツク法師とヒグラシの鳴き声が重なってきこえたりすると、夏が終わってしまうのだという思いと同時に、訳の分からない巨大な喪失感のような感覚を、少年の私は、なぜだか、とてつもなく強く感じていたような気もする。

 何が私にそのような感覚を覚えさせたのか未だに分からないが、ツクツク法師やヒグラシの鳴き声を聞くと、ときどき、子供の頃の泣きたくなるような、胸がつまるようなその感覚を、もう一度だけ感じてみたいような気になったりもするのだ。

弁護士は社会生活上の医師なのか?

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 先日、「こんな日弁連に誰がした」(平凡社新書)の著者でもある、小林正啓先生とお話しする機会があった。

 

 そこで、未だに日弁連が「弁護士は社会生活上の医師として・・・・」といいたがる話が出た。小林先生はかつてブログで、「弁護士=社会生活上の医師」という見解を、ばっさり、弁護士の医師コンプレックスであると断言されている。

http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-34ad.html

 

 もう少し分かりやすくいうと、こういうことだ。

 

 医師の相手は、病気だ。病気は人類にとって絶対的に悪だから、相手をやっつければやっつけるだけ、医師は評価されるし、病気と徹底的に闘う医師の使命を果たすことが、そのまま人類のためになる。

 

 しかし、弁護士が誰かに依頼されて相手にするのは、会社か私人だ(国の場合もあるが)。

 

 会社や私人は、私たちと同様に社会生活を送っている存在だ。弁護士が依頼者の希望どおりに相手をやっつければ、依頼者は満足するかもしれないが、相手方は社会生活上深刻なダメージを受ける可能性がある。弁護士が相手をやっつければやっつけるだけ、誰かが痛い目を見ることになるのだ。

 

 だから、極論すれば、弁護士が社会の隅々で活躍する社会とは、社会の隅々で誰かが痛い目にあわされる可能性がある社会と同義なのだ。

 

 医師の仕事は絶対的善であるが、弁護士の仕事は依頼者にとっての善、相対的善にすぎないのであって、小林先生も指摘されているとおり、弁護士は社会生活上の医師どころか、社会生活上の傭兵と評価することも不可能ではない。

 

 

 弁護士が増えてコストが下がれば、こちらが弁護士(傭兵)を雇いやすくなるから良いじゃないかと単純に考える人もいる。しかし、良く考えてみると、こちらが弁護士を依頼しやすくなることは、こちらを痛い目に遭わせようと考えている人が弁護士を依頼しやすくなることと、表裏一体の関係なのだ。

 こちらが全く悪くなく、完全な言いがかりだけの不当訴訟でも、相手が弁護士を立てて提訴してくれば、やむを得ずこちらも弁護士を立てて防衛するしかない。相手が悪いとしても、こちらが依頼する弁護士にかかるコストは、プロの用心棒を雇うことと同じだから当然、自分が負担せざるを得ないのが原則となる。

 

 「弁護士=社会生活上の医師」とのスローガンの下、新人弁護士が就職難に陥っているにもかかわらず、弁護士をどんどん増加させている、現在の司法改革は、働く宛もないのに「社会生活上の傭兵」を次々と社会に招き入れているようなものだ。

 

 武器は持っているが働く場所(法的需要)もなく、生活できない傭兵は、食うために、その武器を誰かに向けざるを得ない時期がやってくるかもしれない。そのターゲットになる誰かとは、病気やショッカー(by仮面ライダー)のような絶対的悪ではなく、普通に暮らしている貴方かもしれないのだ。

 

 弁護士増員さえすれば、本当に社会の問題が解決していくのか、その考えが正しいものなのか。

 

 もう一度良く考えてみる必要があると思う。

(記事ここまで)

再掲後記

 最近でこそ若干少なくなったものの、司法制度改革が華やかなりし頃、マスコミや経済界、政治家は、こぞって弁護士も仕事を掘り起こせなどと言っていたものです。

 弁護士が仕事を掘り起こすと言うことは、人類共通の敵である病気をやっつけることではなく、社会の他の誰かを痛めつけるかもしれない行動を起こすこととそう変わりがない場合があります。

 例えば、弁護士会が上場会社の株式を一単位ずつ保有して、会社に不祥事の噂が立てば弁護士会が希望者を募って直ちにチームを結成し、取締役らを訴える代表訴訟の準備に入る、なんてことは、企業からすればとんでもないことでしょうが、実はこれも弁護士にとっては立派な仕事の掘り起こしです。しかもコンプライアンスに資する行動ともいえますから、何ら非難を受けるいわれもなさそうです。そのような社会を経済界は望んでいるのでしょうか。

 新聞社や週刊誌にプライバシー侵害や名誉毀損的な記事が掲載されないか、弁護士会が常時チェックをおこない、もしそのような記事があれば直ちに弁護士会が希望者を募ってチームを結成し、名誉毀損された人と一緒に呼びかけてマスコミを訴えるなんてことも、仕事の掘り起こしです。しかも、マスコミの健全な報道に資するといえなくもないでしょう。そのように弁護士が活躍するような社会をマスコミは真に望んでいるのでしょうか。

 自分に向かって矢が飛んでくることが想像できないからこそ、無責任に言いつのることができていたのではないでしょうか。

 弁護士は実力不足でも良いからどんどん資格を与えて競争すべきだ、という人も、医師に関しては実力不足でも良いから資格をどんどん与えて競争させろとはいいません。効果があれば副作用があってもどんどん薬として認可して、消費者の選択に任せれば、そのうち淘汰されていい薬が残るからそれで良いのだという人もいません。

 医師や薬にそのようなことをすれば弊害が生じることが容易に想像できるからです。

 しかも弁護士の仕事の良し悪しは、一般の方にはほぼ分かりません。つまり、競争させるにも選ぶ側から見て良し悪しが分からないのですから、良い弁護士が残るとは限らないのです。むしろ、商売上手、人当たりの良さ、露出の多さなど、弁護士としての実力以外の点で、競争がなされるだけでしょう。

 弁護士の仕事の良し悪しについて区別がつけられない一般の方々が殆どである中で(すなわち、競争の前提が成り立っていない状況で)、本当に弁護士も競争させるべきとして資格を濫発してよいのか、マスコミや経済界の勝手な言い分に惑わされないようにすることも必要だと思っています。

 

 

 

京大入試のこと

 先日、京都大学在学中に刑法ゼミでお世話になった中森喜彦先生(京大名誉教授)と、中森ゼミ同期生5名で、食事をする機会があった。

 懐かしいメンバーを見ると、学生時代と大して変わっていないような気がする。

 おそらく他人から見れば、ええ歳こいたオッチャンとオバチャンなのだが、若い頃を知っていると脳が勝手にバイアスをかけるのか、余り変わったようには思えないのだ。

 同様の感覚は、高校の同窓会でも感じたので、おそらく正しいのではないかと秘かに思っている。

 食事中には学生時代の話や、現在の話、さらには京大入試の話題もでた。

 Oさんは、入試の試験監督が中森先生であったことを話してくれた。私が合格した年は、数学が異常に難しく、良くできる人でも苦戦したと聞いている。確か、120分で5問出題されていたように思う。

 Oさんは、数学はまあ良くできる方で、通常なら3問は軽く完答できる実力だったそうだが、余りの難しさに、ほとんど書けず、ふと見上げた先に見えた、試験監督の中森先生が「気の毒になあ~」という顔で、Oさんの何も書かれていない答案用紙に視線を投げかけていたことが忘れられないそうだった。

 

 京大入試のことをもう少し言えば、私は一浪しているが、現役のときも、京都大学法学部を受験した。

 しかし、受験会場は京大ではなかった。

 関西文理学院、つまり予備校だった。

 その当時、京大は、法学部と理学部?が交互に関西文理学院を試験会場として使用していたそうだ。

 しかも現役受験の際には、力いっぱい不合格とされ、門前払いどころか門の前までも行けなかったのか~と、がっくりきたものだった。

 私も数学は人並みだったので、試験終了となったとき、頭が真っ白になった。現役の時は2問半から3問は解けたはずなのに、1年余分に勉強したのに全然解けないなんて。

 1年かけて実力が落ちたのか?

 恥ずかしさにたえて浪人してきた俺の、この1年はなんだったんだと思った。

 捲土重来を期した、一浪受験時だったが、数学で完全にノックアウトされたと思った私は、心の中で泣きながら、しかし、あきらめたらそこで終わりだと、残りの科目に挑んだ記憶がある。

 このように、一浪時の入試では数学の問題はほとんど解けなかったので、私の京大合格は、絶対に得意の国語(予備校の模試で2位をもらった。1位は京大文学部に合格した人で、よくできたと思っても1点差で躱され、どうしても勝てなかった。)と英語で点数を稼げたからだと未だに信じている。

 気持ちが切れなかったのは、浪人して図太くなった効果だったかもしれないし、合格日時は覚えていないが早稲田・慶應にも合格していて2浪の心配がなくなっていたからかもしれない。

 たくさん回り道をしたこともあったが、旧司法試験をもう一度受けろと言われたら、攻略方法は分かるつもりだし、受験時代の体力・集中力・記憶力があるならもっと短期で合格することは出来ると思う。

 しかし、京大にもう一度合格してみろと言われると、どうしても自信が持てないのは、やはり入試の数学でコテンパンにやられた記憶が邪魔をするからかもしれない。

 

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太平洋上空(おそらく赤道近辺)

真夜中のドア~Stay With Me

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 おそらく有線放送だったのだろう。

 少し垢抜けない、どこかの商店街で、この曲を久しぶりに耳にした。曲を聞き逃したくなくて、私は歩調をゆっくりにし、そして、さびの部分を小さな声で曲に合わせて歌ってみた。

 昔、ラジカセを使って、カセットテープにラジオから録音(エアチェックといっていた)して、何度も聴いた曲だ。確かカセットテープは、TDKのものだった。

 歌っていたのは、「松原みき」さん。

 確かこれがデビュー曲で、彼女が歌ってCMに使われていた「ニートな午後3時」を、ご記憶の方も多いだろう。

 歌が素晴らしく上手で、とても綺麗な方だった。たしか、癌のためわずか44歳でこの世を去った。もう、10年以上も前に新聞に小さく載っていたような記憶がある。

 私はこの曲を聴くと、中学生の冬の夜を思い出す。

 霜焼けにやられた手を、椅子と太ももの間に挟んで温めながら、同じく霜焼けにやられた足を足温器に突っ込んで、ラジオを聞きながら勉強していた私。

 当時、なにか自分でもやれるのではないかという根拠のない自負と、得体の知れない未来へのボンヤリとした不安を、私は漠然と抱いていたように思う。

 何も知らず、意味もなく生意気だった当時の私は、なんでも分かったふりをしたがり、平均寿命まで生きるとしたら、あと60年も生きなければならないのか、などと少しため息をついてみたりしていたはずだ。

 何もかもが変わっていく中で未だに、何かが分かったという気持ちには到底なれそうにない。おそらく私は、このまま生きる意味や真理など何も分からずに、この世を去るのだろう、とも思う。

 

 しかし、この曲と松原みきさんの記憶は、彼女を知る人の心に、残り続けるのだろう。

 私も、そのように、人の心に残るような行いをなすことができるだろうか。

 

 

子供じゃないんだから・・・

 大阪弁護士会では、研修の受講が義務づけられており、確か、年間10単位を取得しないと注意を受けるなど面倒なことになる。

 研修を受講する際には、図書室利用カードをカードリーダーに読ませて入室し、退出時にも同様にカードリーダーで読ませることにより、受講の確認をする。

 ご丁寧なことに、15分以上の遅刻や、終了時刻前の早退は、受講したことにならないと規則で明記されている。

 ちなみに私は税理士登録もしているので税理士会の研修も受講することがあるが、そちらは入室時にカードリーダーで読ませるだけで、退室時のチェックはない。まあ会場に来た以上は、受講しているだろうと、信頼されているのだ。

 要するに、税理士会と比較すれば、弁護士さんは、ちゃんと研修を受講するかについて、大阪弁護士会からは信用されていないのだ。

 ただでさえ、なんだかな~と思っていたところに、先日の常議員会で遅刻を許容する時間を15分から10分に短縮し、なおかつ、途中離席も10分までにするという規則を追加したい、という改正案が提出された。

 説明によると、ある弁護士さんが研修の際に、長時間離席していたことをたまたま事務局に現認されたが、そのセンセイは「依頼者からの至急の電話に対応しており、履修が認められるべきだ」と弁明したのだそうだ。確かに規則には長時間の離席は単位を認めないという定めがないから、明文上は、そのような不届き者を未修にする根拠がないということらしい。

 私から言わせれば、研修よりも依頼者対応を優先して長時間離席し研修の大部分を受講していないのだから、実質的に履修はしておらず、当然履修など認められるはずもないのであり、おそらくそのセンセイが、中抜けをしていたところを発見された後ろめたさから発言したガキの屁理屈としか思えない。

 私が事務局だったら、「研修は受講を前提に単位を認めるのはご存じのはず。どんな理由があっても、大部分の時間を実際に受講していないのだから単位が認められるわけないでしょ。アホなこと言わんと素直に中抜けしてたズルを認めなさいよ」、くらい言ってしまったかもしれない。

 しかし、だからといって、子供のような幼稚な屁理屈を振り回す、ごく僅かな不届き者のために、こんな恥ずかしい規定を設ける必要があるのだろうか。

 私はこのような規定の新設には反対した。だって、余りに幼稚じゃないですか。そんな規定があること自体、恥ずかしいですから。

 まあ、結果的には賛成多数で通っちゃったけど。

 不正をやろうとすれば、中抜けが規制されても可能だ。事務員さんや第三者にカードを持たせて替え玉に使い、最初から最後まで受講させることもできるからだ。大阪弁護士会の会員数は多いため、自分の知り合い以外の出席者のうち誰がホントの弁護士なのか、研修の場所では、実際にはわかりゃしないのである。もちろん、研修中に最初から最後までスマホをいじっている人もいるし、パソコンでメールをせっせと書いている人もいる。

 だから規制しても、はっきり言って意味がないと私は思う。

 最も責められるべきは、自分の中抜けを棚に上げてガキの屁理屈をこねたセンセイだが、それへの弁護士会の対応が、恥ずかしい規定の追加ということでは、実効性もないし、大げさすぎるように思うのだが・・・・。

 

 それにしても、弁護士があんな屁理屈を言うようでは・・・・、弁護士法2条もさぞかし無念だろうなぁ・・・。

 

 谷間世代救済名目での会費減額案に反対する意見のブログを掲載していることから、誤解を受けやすいのだが、私は谷間世代を責めているわけでは決してない。むしろ気の毒に思っている。

 ただ、谷間世代のうち、谷間世代は修習で給付金がなかったのだから、谷間世代の弁護士会費を減額して欲しいと主張している方に対しては、筋違いだし、公平を欠くだろう、と申しあげざるを得ないように思う。

 理由その1は、司法修習時代に給付金が出なかったのは、国家の政策の問題であって、その後始末は国家に求めるべきであり、日弁連・弁護士会に対して会費減額を求めることは筋違いだということ。

 かつて研修医が劣悪な環境に置かれていたことがあった。現在ではその方針が改善されつつあるようだが、改善が間に合わず劣悪な研修医生活を送らざるを得なかった医師が、制度不備など理由に国や勤務先に救済を求めるならともかく、医師会に対し医師会会費を減額するよう求めたとすれば、その要求は筋違いだといわれるだけだろう。正しい例えではないと思うが、それに近い状況ではないかと思う。

 理由その2は、谷間世代の弁護士会費減額を行うということは、それ以外の世代の会費減額がなされないことから、谷間世代以外の負担が相対的に大きくなるということを必然的に意味する。つまり、日弁連・弁護士会に対して全会員の会費が高すぎるので減額して欲しいという要望は筋が通るが、谷間世代だけの会費減額を求めることは、「その他の世代に重い負担を負ってもらう」という前提が当然にくっついていることになる。

 平たくいえば、谷間世代だけの会費減額を主張する人は、他の人の犠牲で自分達を救えといっていることと同義だといわれても仕方がないのではないかと考える。

 理由その3は、大阪弁護士会に限ったことだが、既に若手会員には修習終了から2年間は一般会費を半額免除(おそらく8000円×24ヶ月)している。さらに、私は反対したが、谷間世代救済のためというお題目で、最大10年間84万円もの会費免除を決議している。その上、日弁連会費まで免除するのは、3重の会費免除特典で、厳しい状況でも頑張って会費を支払っている一般会員に比べて、余りにも公平を欠くのではないかと考えるのだ。

 むしろ大阪弁護士会などは、司法修習が2年から1年半に期間短縮された際に、新人弁護士は弁護士会の定める研修を受講し終わらないと法律相談を担当させない、として、1年以上若手に法律相談を割り当てることをしなかった。もちろんそれでも、若手に対する会費減額なんてなかった。現在とは状況が違うとはいえ、この待遇の差は、弁護士会内の亀裂を生じさせかねない可能性がある。

 執行部の先生方や、常議員会に出席される弁護士の先生方は、私を除けば、功成り名を遂げられた立派な先生方ばかりで、苦労している弁護士の存在など余り実感できないのではないだろうか。私の10年以上先輩の弁護士でも、すでに事務員さんを雇えない先生とか、仕事がなくて弁護士をやめる、という先生を何人も知っている。そのうちのお一人は、仕事を取れない弁護士は無能だというのが持論だったが、その先生ですら社外取締役以外に、ほとんど新しいお仕事がこないのだと聞いた。それでも会費滞納を続けるとバッジを飛ばされるので、高い会費を支払っておられるはずだ。

 つまり、将来の弁護士会費負担者はさらに困窮する可能性がある、それどころかその可能性は極めて高いと見るべきだろう。弁護士は激増するのに、裁判所に持ち込まれる事件は増えていないのだから。

 

 このような状況にあって、安易に谷間世代の会費免除を言い出す執行部は、現実を冷静に分析して将来を見据えた判断する能力を失っているように思う。一体なにやってんだろうね~。

 

 あれ、谷間世代を責めているわけじゃないことを言いたかったのに、責めるべき相手が、何故か出てきてしまいました・・・・(笑)。

 なんでだろうね~。

大阪弁護士会のLAC負担金に関して

 先日の常議員会で、弁護士費用保険(権利保護保険)に関しての規則改正が審議された。

 現在、大阪弁護士会では、保険会社から弁護士会宛に弁護士の紹介を求めてきた案件(紹介案件)だけでなく、弁護士費用保険が使えると聞いて知り合いの弁護士さんに依頼したような案件(選任済案件)についても、着手金・報酬金・手数料・日当の7%が負担金として課せられている。

 そもそもどうして、自分が働いて得たお金に負担金を課せられてピンハネされなきゃならんのか、理由が分かりにくいのだが、紹介案件については、まあ、ぎりぎり分からないでもない。つまり、弁護士会に依頼が来て弁護士会が紹介するという手間がかかっているから、その手間賃と見れば、理解できないわけじゃない。

 しかし、弁護士選任に全く弁護士会が関わらない選任済案件にも負担金が課せられるのは、理屈に合わないような気がどうもするのだ(同様の問題は管財事件の負担金にも該当するかもしれない)。

 選任済案件で選任されている弁護士さんは人的関係や、その仕事を評価されて依頼されるわけだから、どうして弁護士会に7%もピンハネされなきゃならないのか、その理屈が分からない。

 確かにLAC導入に弁護士会の働きかけが大きかったなどという点があるなら分かるが、それなら、それで、公平に、日本全てのLAC案件に負担金が課せられていなくてはおかしい。

 そう思って、説明委員の先生に聞いてみた。

 坂野:「選任済LAC案件に負担金を課している単位会はどれだけあるのですか?」

 驚くなかれ説明委員の回答は次のようなものだった。

 「かつては他の単位会でも負担金を課しているところもあったとも聞いたことはありますが、日弁連事務局に聞いたところ、現在は、大阪だけのようです。」

 坂野は心の中で驚く

 えっ!なんじゃそりゃ!

 大阪だけが、7%もぼったくられとんのかい!

 日弁連でLAC担当をしている竹岡大阪弁護士会会長が、慌てて補足説明として、「私の記憶では、大阪の他、神奈川・新潟他もう一つあったように思いますが・・・」とフォローにまわったが選任済案件の負担金なのか、紹介案件の負担金なのかは、はっきり区別して説明してくれなかった。

 くわしい説明は次回にすると約束してくれたので、次回の常議員会で、LAC案件に負担金を課している(ぼったくり?)弁護士会はどこなのかが、はっきりするだろう。

 仮に竹岡会長のお話が仮に正しくとも、少なくともLAC選任済案件に負担金を課しているのは、全国52の単位会の中で、極めて少数派であることは明らかになってしまった。

 ぼったくってまんな~、大阪弁護士会さんは・・・・。ほとんどの弁護士会では、LAC弁護士報酬はそのまま弁護士の手にわたるのに、大阪弁護士会さんは、7%もピンハネできるんですな~。

 ほんで、谷間世代に10年間で84万円も会費免除しはるんでっしゃろ。

 問題はそっちよりぼったくりやめて谷間世代を含めた全会員の会費(名目会費ではなく実質負担させる会費)を下げることやおまへんか?

 そうなりゃ公平やし、みんなも納得するし、谷間世代も実質の会費が下がって一息つけるから、(他の世代の犠牲を前提とした)谷間世代だけの会費減額をしてくれとも言わなくなるんと違う?(そのように仰らない谷間世代の方の存在は否定しませんが、日弁連が谷間世代の会費減額のための意見照会要求資料に付してきた若手カンファレンスの発言抜粋には、そのような内容の発言が散見されました。)

 谷間世代救済のための会費減額~!と筋違いの救済策を実行して、執行部がええカッコばっかりしてたら、その他の会員さんから、そっぽむかれるんとちがいまっか・・・・。

 ほんま、しんぱいやわ~。