年賀状

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 昨年大晦日に帰省して、1月1日・2日と実家で過ごした。

 姉と甥・姪も実家にきており、なかなか賑やかなお正月だった。

 甥と姪は医学生で、甥は卒業試験と国家試験が、姪は定期試験が近いとのことで、それぞれが勉強道具を持ち込んでおり、TVの点いたダイニングで、姉と話したりしながら、あまり、身にならないような勉強をしていた。

 新年に年賀状が届いたが、両親から、年賀状を出すのは、今回でもう終わりにするのだ、と聞かされた。

 本文などはプリンターで印刷ができるようになったものの、宛名を書くのが大変で、パソコンでの宛名管理も難しいからだという理由だった。

 思えば、両親の年賀状作成は、私にとっても年中行事の一つであり、古くはガリ版で一枚一枚ローラーで印刷していた。原案は大抵母親が考えていたように思う。ずれないように慎重に年賀ハガキをセットして、ローラーを動かし、ガリ版にくっついたハガキをはがす手順で、どんどん印刷していたように記憶している。

 途中で、ガリ版印刷はプリントゴッコに代替わりし、カラーでの印刷ができるようになった。最後には、パソコン経由でプリンターを使用していたようだ。

 しかし、私には寒い畳の上で、ガリ版で印刷し、乾かすために、霜焼けになった手を暖めつつ部屋中に年賀状を並べる役をさせられていた頃が懐かしい。

 両親の年賀状の作成が始まると、もう年末なんだ、という思いを強くしたものだった。

 年賀状に関わる作業はそれだけではなかった。新年に年賀状が届くと、こちらから出していない相手がいるかの確認作業があった。年賀状を出した人についてア行・カ行・・・と名前を記載した手書きのメモを作っておき、届いた年賀状をチェックして確認するのである。もし、出していない人から届いていた場合は、できるだけ早くこちらからも年賀状を出すようにしていたようだ。

 一応、ア行・カ行・・・と分類されているものの、完全なあいうえお順にはメモは作られていなかったうえに、手書きの文字が読みにくかったりして、家族が年賀状チェックを手伝うこともあった。

 そして、最後のお楽しみは、年賀ハガキくじの当選確認だ。ほとんど末等の切手シートしか当たらなかったが、その確認を任されると、何となく楽しかった記憶がある。

 今年からは、両親も年賀状の作成・チェックという、作業をしなくて済むことになる。

 両親に対して老婆心からというのも失礼な話だが、年賀状に関わる作業をしなくて済むことで、却って寂しさを感じはしないかと、私は、少しだけ老婆心から心配していたりする。