「銀河英雄伝説」~田中芳樹著

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 銀河・英雄・伝説と広大・偉大・そして歴史を全て含んだ、えらく大上段に振りかぶった題名だが、その名に恥じぬ内容で、いわゆるスペースオペラ小説としては、実に面白い。最近再読したが、やはりその面白さは変わらなかった。

 私が知人に勧められて初めて読んだのは、40歳過ぎの頃で、約10年ほど前に出版されたと思う創元SF文庫版だったが、文庫本で10巻にわたる長編だ。その他にも外伝が5巻存在する。この小説を読み始めたときは、小説を読める通勤電車の行き帰りの時間が、とても待ち遠しかった覚えがある。

 小説の中では、実に様々な人物が、銀河帝国側と自由惑星同盟側で登場し、活躍する。

 まだ未読の方の楽しみを奪うかもしれないので、あまり内容に触れることは避けたい。また、未読の方で、興味を持たれた方は、ここでブログを読むのを止めて、銀河英雄伝説の第1巻を手に取るべきだ。

 登場人物の人気投票を行えば、おそらくトップ3は、帝国側の常勝の天才ラインハルト、同盟側の不敗の魔術師ヤン、そしてラインハルトの腹心であり親友でもあったキルヒアイスで占められるのではないかと思うが、それ以外の個性豊かな登場人物の誰かに自分をなぞらえて、作者の紡ぎ出す銀河の歴史をたどるのも楽しいものだろう。

 

 私が自分を登場人物になぞらえるなら、客観的な年齢からいけば、そこまで昇進できるかどうかは別として、ビュコックかメルカッツあたりになるだろう。客観面を無視して最大限に自分を美化することが許されたと考えても、主人公の器でないことは自覚しているので、僭越ながら性格的にはミッターマイヤーあたりではないかと思うのだが、実は、とても自分には真似ができないという点で秘かに憧れるのはオーベルシュタインであったりもする。

 以前アニメ化もされており、クラシック音楽をBGMとした銀河英雄伝説のアニメーションを深夜に御覧になった方も多いはずだ。

 最近、新しく「銀河英雄伝説 Die Neue These」が製作されており、深夜に放映されている。旧アニメ版と比較すると、キャラクターのデザインは旧アニメ版の方に分があるように思うが、艦隊どうしの戦闘シーンなどはおそらくCGを駆使した、新アニメ版の方が遥かに良いように思う。

 大ベストセラー小説であるが、ベストセラーだからと毛嫌いせずに、ご一読をお薦めする。