判事補採用が一番多いのは予備試験ルート

共同通信社が、新判事補の採用に関して次のような報道をしたとのことだ。

(記事ここから)

最高裁は26日、司法修習を12日に終えた修習生1517人のうち、82人を判事補として採用すると決めた。閣議を経て来年1月16日付で発令される。

 年齢は23~41歳で、平均年齢は26・0歳。女性は21人。女性裁判官は全体で795人、全体に占める割合は約22%となる見込み。

 出身法科大学院は10校。最多の慶応大が16人、次いで東大14人、一橋大9人、京大7人、中央大6人と続く。法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が得られる予備試験の合格者は22人だった。

(記事ここまで)

 さてさて、法科大学院維持派の御主張は、法科大学院によるプロセスによる教育が法曹には不可欠(だからこそ、司法試験受験のために、法科大学院卒業が要件とされるよう法改正させた)とのことだった。

 以前ブログで指摘したとおり、日本の大手法律事務所は司法試験を受験していない予備試験合格者に対して、青田刈りをやっているし、東京地検もついに予備試験合格者に対する青田刈りをはじめた。

 さらに、最高裁が任命する今年の新判事補においても、予備試験ルートの者がどの法科大学院よりも多いので、最多数を占めることになった。ちなみに新判事補任命のためには、裁判教官が修習中から希望者や見込みのある者をしっかり見極めて選抜することが多く、場当たり的に選抜することはまず無い。検察官の任命もその傾向が強い。

 一流の実務家からみて、予備試験ルートの者が裁判官にも検察官にも、たくさん選抜されるということは、もはや、法科大学院が主張する、「法曹には法科大学院でのプロセスによる教育が必須」という命題がもはや崩壊しているということを意味するだろう。

 もう一度いうが、実務では、法科大学院でのプロセスによる教育が法曹に必須だなんて、法科大学院維持派以外は、おそらくだーれも思っていない。

 

 万一、法曹に法科大学院のプロセスによる教育が必須だとするなら、大手法律事務所・検察庁・裁判所が、こぞって予備試験ルートの修習生を採用しようとするはずがないからだ。

 

 実務で必須とは言えない「プロセスによる教育」に、法科大学院維持派の学者は、いつまですがり続けるのか。

 イワシの頭も信心から、とは良くいったものだ。

 念のために説明しておくと、鰯の頭のように取るに足らないものでも、信じる気持ちがあれば尊く見える。という意味だ。

 もし、本当に「法科大学院によるプロセスによる教育が法曹にとって必須」なのであれば、予備試験ルートの法曹にプロセスによる教育が欠けていたことに起因してどのような問題が生じており、法科大学院ルートの法曹がプロセスによる教育を受けた結果どれだけ予備試験ルートに比べて優れているかを、直ちに示せるだろうし、示すべきだろう。

 

 何の根拠もなく、法科大学院教育を礼賛し続けても、私から見れば、鰯の頭を拝んでいるとしか思えないのだ。

 

 もちろん、現実認識ができないほど、頭の中にタンポポが咲き乱れている先生方ばかりではないと思うので、本当は法科大学院維持派の先生方もご存じなのだろうとは思う。

 だとすれば、どうすればよいかはすぐ分かると思うのだが、、、。